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内分泌内科

内分泌内科の特色

内分泌臓器とは、生体の代謝の恒常性を保つために様々なホルモンを分泌している臓器です。内分泌疾患は、何らかの原因でホルモンのバランスが崩れ、色々な症状を引き起こします。
内分泌疾患は、甲状腺をはじめとして、最近注目されてはじめた疾患群です。当科では、最も患者数の多い内分泌疾患である甲状腺疾患の診療を中心に、副腎、下垂体、副甲状腺等の比較的稀な内分泌疾患の診療に携わっています

診療内容

甲状腺超音波検査を年間300例近く行っています。また、甲状腺結節の診断のために、外来での超音波ガイド下穿刺吸引細胞診も行っております。
他にも、各ホルモンの過剰な分泌や枯渇を診断するための負荷試験を、外来や非登用であれば入院にて行っています。

こんな症状があったら、是非、当科へ

  • 頸が腫れたり、痛くなった。
  • 脈が速く、動悸がする。手も震える。
  • 眼が以前より飛び出て、物が二重に見える。
  • 最近眠気がとれず、しんどい。声がかすれてきて、足もむくむ。
  • まだ40歳台なのに血圧が高くなった。
  • 急に糖尿病が悪くなり、太った。
  • 急に力が抜けることがある。
  • 視界が狭くなり、両耳側の物が分かりにくくなった。頭痛もある。
  • 急に生理がなくなり、おっぱいが出るようになった。
  • 靴のサイズが合わなくなり、指輪も入らなくなった。
  • 甲状腺疾患を持たれた方が妊娠を希望している。

 →甲状腺疾患と妊娠についてはこちらをご確認ください。

内分泌疾患について

甲状腺疾患

甲状腺はのどぼとけの下に位置する10g程度の臓器です。この臓器にかかわる疾患は、不幸な福島原発事故の報道もあり、最近注目されています。

甲状腺の腫瘍は、30人に1人程度の割合で見つかると言われています。また、放射線による影響で甲状腺癌が増えることも知られています。最近は、頚動脈の超音波検査で偶然見つかる腫瘍も増えています。当院では、甲状腺超音波検査と腫瘍の穿刺吸引細胞診を行うことにより、乳腺甲状腺外科と協力し、悪性腫瘍の早期診断を行っています。

甲状腺から分泌されるホルモンは、代謝を調節する重要な働きがあります。このホルモンのバランスが崩れる疾患も20人に1人程度で見つかるといわれています。甲状腺ホルモンの材料であるヨードは昆布等の海藻に多く含まれています。欧米と比べて本邦の甲状腺疾患の患者数は多く、ヨードの摂取過剰や民族性も影響していると考えられています。

バセドウ病は甲状腺ホルモンが増加する代表的な疾患であり、20~30代の若い女性に多くみられます。手の振るえ、動悸、発汗過剰、目の症状等があれば、この疾患の可能性があります。

逆に、甲状腺ホルモンが低下する代表的な疾患には、橋本病があります。日本人である橋本博士がこの疾患を報告してからほぼ100年が経過しました。中年女性が多く、元気がなくなった、皮膚が乾燥した、声がかすれた、等の症状があれば、この疾患を疑います。
バセドウ病も橋本病も、無治療の場合は妊娠出産に影響しますので、若い方は注意が必要です。

イラスト:甲状腺疾患

副腎腫瘍

副腎は腎臓の上にある小さな臓器ですが、ストレスを軽減するコルチゾールや血圧を調整するアルドステロン、アドレナリン等のホルモンを分泌します。
最近の検診やドックの普及により、副腎に腫瘍が見つかることが多くなっています。このような副腎腫瘍を副腎偶発腫と呼んでいます。約半数はホルモンを産生しない無機能性の良性腺腫と考えられますが、様々な症状を引き起こす機能性腫瘍や癌の報告もあります。機能性の腫瘍には、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫等があります。

イラスト:副腎腫瘍

本邦で4000万人程度と推定される高血圧症の中の少なくとも5%(200万人)は原発性アルドステロン症といわれ、この原因のひとつにアルドステロン産生性副腎腺腫があり、血圧を上昇させるホルモンであるアルドステロンを過剰に産生しています。内服薬ではなかなか血圧が下がらない、30代、40代で家族歴もないのに血圧が高い、内服しているのに低カリウム血症になった、こんな場合にはアルドステロン症かもしれません。
下記の項目に当てはまる場合は原発性アルドステロン症の発症頻度が高いと言われています。

  1. 血圧が160/100mmHg以上
  2. 治療抵抗性高血圧
  3. 低カリウム血症
  4. 副腎腫瘍を持つ高血圧
  5. 40歳以下の脳卒中の既往のある高血圧
  6. 一等親の中に本疾患を発症した家族歴のある高血圧 

その他の副腎腫瘍には、糖尿病、中心性肥満、高血圧を引き起こすクッシング症候群があります。この腫瘍はコルチゾールというホルモンを過剰に産生しています。40代の方で、顔面を中心に肥満を呈し(満月様)、血圧も上昇している場合はこの疾患が考えられます。
また、高血圧と頻脈、糖尿病を引き起こす褐色細胞腫という腫瘍もあります。アドレナリンという自律神経を興奮させる作用のあるホルモンを産生します。発作的な高血圧や動悸、顔面の蒼白等を認める場合は注意が必要です。

こういった機能性副腎腫瘍は切除の適応があり、放置すると合併症により生命の予後が悪化します。入院の上で、各種ホルモン負荷試験を行い、泌尿器科と協力し、手術を含め、治療を行っていきます。

下垂体疾患

下垂体は大脳からぶら下がった10mm大の内分泌臓器です。生存に必要な多くのホルモンを分泌しています。
頭痛や視界が狭くなった等の症状で脳外科を受診され、頭部MRI検査を行ことにより、下垂体の腫瘍が見つかる場合があります。この中で、下垂体腺腫と呼ばれる良性腫瘍は、数種類のホルモン産生腺腫に分類され、それぞれのホルモン過剰に応じた症状を引き起こします。
代表的な下垂体腺腫には、無月経や乳汁分泌を引き起こすプロラクチン産生腺腫や、先端巨大症を引き起こす成長ホルモン産生腺腫があり、脳外科による手術療法に加えて、内科的な治療を併用し、症状の進行を抑えていきます。

イラスト:下垂体疾患

甲状腺疾患と妊娠について

甲状腺ホルモンは体の代謝を上げる働きがあり、このホルモンの増減により様々な症状を引き起こします。代表的な甲状腺疾患には、甲状腺ホルモンが上昇するバセドウ病、逆に低下する橋本病があり、適切に診断と治療を受けることにより普通の方と同様の日常生活を送ることができます。
 
ここ数年で、妊娠と甲状腺疾患の関連について多くの報告が出てきました。
バセドウ病では本邦ではほとんどの患者さんが甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺剤を内服する治療を選択されます。以前から、抗甲状腺剤の一つであるチアマゾール(一般名:メルカゾール)について、妊娠中の内服において胎児の奇形が増加する報告がありました。これに関連した日本甲状腺学会の前向き研究において、生命予後には関与しない希な児の奇形(
後鼻孔閉鎖症、食道閉鎖症、気管食道瘻、頭皮欠損、臍腸管異常等、いずれも手術可能)が増加しているとの報告があり、妊娠4週から9週まではチアマゾール内服を避ける方針となりました。チアマゾール内服中に妊娠しても中絶する必要はありませんが、情報を理解し妊娠継続の意思を確認する必要があります。

さらに、母胎の甲状腺機能の障害が流産、早期産児の知能や精神運動に対する悪影響を呈する報告があります。また、橋本病の患者さんでは甲状腺機能が正常範囲内でも妊娠率の低下や流産率の悪化が報告されています。これに関連して、産科の不妊外来でも甲状腺機能を測定する機会が増えており、症状のない潜在的な甲状腺機能低下の女性に甲状腺ホルモンの補充療法を行いながら、妊娠を維持することにより、より安全な妊娠・出産を行うことができると考えられます。

これから妊娠を考えられている女性の皆様で、ご家族に甲状腺疾患のおられる方、甲状腺の腫大を指摘された方は、一度は甲状腺ホルモンのチェック(血清TSHとfreeT4)を受けられることをお勧めいたします。

外来診療担当表

外来の診療担当表については、下記をクリックしてご覧ください(毎月更新)。

外来診療担当表

※外来診療休診のお知らせはこちらから

スタッフ紹介

部長(医局長)
岸田 雅之 Masayuki Kishida

顔写真:岸田 雅之

出身

平成6年卒
岡山大学医学部卒

専門

内分泌・甲状腺疾患

資格
日本内分泌学会専門医・指導医
日本甲状腺学会専門医
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
臨床研修指導医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
日本病態栄養学会認定医、NSTコーディネーター
岡山大学大学院総合内科学客員教授
岡山大学医学部医学科臨床教授
日本腎臓学会会員
日本病院総合診療医学会認定医

医員
佐々木 恵里佳 Erika Sasaki

顔写真:佐々木 恵里佳

出身

平成26年
香川大学医学部卒

専門