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消化器疾患センター

 現在、8名のスタッフを中心に上下部内視鏡とERCPなどのすべての内視鏡検査を毎日行っております。
当院での診療の柱として救急医療が挙げられますが、その中には消化器系の疾患も多く、それらに対して対処する必要があります。24時間365日緊急の内視鏡検査などに対応できるようにしております。そして、皆さまのご希望にできるだけ添えるように、安全で確実な内視鏡検査や治療を行っております。特に最近では、抗凝固薬内服による出血や胆石による急性化膿性胆管炎などが増加しております。今後高齢化社会が進むにつれ、更に増加すると思われますので、しっかり対応していく体制をとっていきます。

 ここ10年の間にも内視鏡機器の進歩により、早期の腫瘍などを診断したり、以前は手術でしか治療できなかったような腫瘍を内視鏡で治療できたりと大きく変わってきております。今回、NBIなどの画像強調診断やESDなどの新しい治療を最新の機器を導入し更なる診断・治療の発展に尽くします。
平成24年度より火曜日午後にはピロリ菌除菌治療に対しての専門外来も設け対応しております。平成25年2月より慢性胃炎でのピロリ菌除菌が保険収載され、更に適応となる方が増えると思われます。将来の胃がん予防にもなる治療を進めていきます。

 また、カプセル内視鏡や小腸内視鏡もそろえ小腸の診療の実績もあります。カプセル内視鏡においては平成26年1月より大腸カプセル内視鏡が保険収載され、今まで癒着などで大腸の奥まで内視鏡検査ができなかった人に対し、負担の少ない検査が可能となっております。 

内視鏡検査の予約には「カルナコネクト」という、インターネットを介した予約システムを導入し、各診療所や病院から直接予約できるようにします。検査結果もインターネット経由で報告できるようになり、より迅速に結果もお届けできるようになります。

内科と外科が一緒になった消化器疾患センター

佃 和憲 センター長

 腸炎や胆石症、最近では胃がんや大腸がんなども増えているため、迅速で適切な診療からベストな治療までが一貫してできるように、消化器内科と消化器外科とが一緒になり、平成22年4月に「消化器疾患センター」を設立しました。
 救急医療においても、腹痛や下痢、嘔吐、吐下血など、消化器疾患で来られる患者さんの割合が多くを占めていることから、消化器内科と消化器外科が密に連携しながら、いち早く診断して治療する体制を整えています。週1回、内科・外科・放射線科を交えてその週にあった症例提示や治療の検討も行っております。

患者さんの負担を減らし正確に診断するための最新の検査機器

 患者さんの負担を少なくする検査機器としてはカプセル内視鏡(小腸用・大腸用)や経鼻内視鏡を選んでいただくことができます。また、新たに導入した内視鏡システムNBI(狭帯域光観察)は高性能・高画質を誇り、より早期のがんをより早く正確に診断できるようになりました。
 鎮静においても希望があればdeep sedationで完全に意識のない状態での検査も受けられるような体制を整えています。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的乳頭切開術(EST)などの内視鏡治療も実績を積み、より安全に行うことができます。今年度から超音波内視鏡装置を購入し、膵腫瘍などの穿刺診断も行うことができます。

機器写真:コンベックス型 超音波内視鏡

コンベックス型(穿刺機能)  超音波内視鏡(EUS)

外科手術の場合も体に負担の少ない方法が採られています

 痛みが少なく傷が目立たない腹腔鏡手術を胆のうや胃・大腸のみでなく、肝臓・膵臓などの手術にも導入しております。回復までの時間が開腹手術の時の約半分に短縮でき、胃・大腸・膵臓などでは1ヵ月かかっていた期間が約2週間に、1週間かかっていた胆のうは約3日で退院できるようになりました。治りが早く、社会復帰も早期にできます。
ただし、腹腔鏡手術ができない場合は開腹手術になります。予めご了承ください。

診療内容

疾患名・手術等

逆流性食道炎、胃十二指腸潰瘍、マロリーワイス症候群、好酸球性胃腸炎、食道胃静脈瘤、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、非特異的小腸潰瘍、虚血性腸炎、食道がん、胃がん、大腸がん、小腸がん、消化管悪性リンパ腫、神経内分泌腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、膵がん、胆石症、胆のうがん、胆のう炎、胆管炎、総胆管結石、急性膵炎、自己免疫性膵炎、絞扼性イレウス、鼠径ヘルニア

検査・診断・治療

上下部内視鏡検査、超音波内視鏡、逆行性膵胆管造影検査(ERCP)、カプセル内視鏡検査(小腸、大腸)、消化管疾患の組織検査・画像診断、画像強調観察(NBIなど)、細胞診検査、培養検査、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、消化管止血術、食道胃静脈瘤硬化療法(EIS)・結紮術(EVL)、内視鏡的乳頭切開術(EST)、内視鏡的総胆管結石砕石術、内視鏡的胆管ドレナージ術(ERBD)・ステント留置術、内視鏡的消化管ステント留置術、消化管バルーン拡張術など

2022年度実績

内視鏡検査数

上部内視鏡検査 6,209例
 ESD 47例
 EIS, EVL 35例
下部内視鏡検査 1,832例
 EMR 707例
 ESD 29例
 ステント留置術 4例
ERCP(EST含む) 278例
カプセル内視鏡検査 14例
EUS 151例
EUS-FNA 30例

主な手術件数

胃・十二指腸 43件
虫垂 93件
大腸・直腸 87件
小腸 55件
腹部ヘルニア 75件
肝臓 2件
胆のう 170件
膵臓 1件