安静にしていることや寝ていることは、筋肉や骨だけでなく脳、心臓、肺や全体の機能を落とします。特に、高齢者の方では認知症がみられたり、筋力が弱くなったり、関節が固まって動かなくなったりする廃用症候群は短期間で進行しやすく、食事が上手に取れなくなって肺炎を起こすケースも少なくありません。
使わない筋内は毎日5%ずつ痩せていきます。運動することと、立った姿勢になることはそれぞれ体の機能維持に必要なことです。手術をされた方でも動かしてよいところを探して運動を促すのと機器をつかってでも起立に近い婆勢が取れるよう試みます。とくに脳卒中ではできるだけ早く訓練を開始することで効果が上がります。
リハビリテーションセンターはすべての入院診療科が対象となります。
脳神経外科、整形外科以外にも血液内科で繰り返し化学療法を受けている方の身体機能推持、呼吸器疾患治療中の方の呼吸リハビリと動作時を含めた呼吸評価、一般内科入院中の方への嚥下対応と障害状態、病状に応じたリハビリを患者さん、家族、担当医師、看護スタッフと協力しつつ行います。
現在は感染症の関係もあり、実際の訓練場面にご家族に参加していただくことは難しい状況ですが、退院支援看護師やMSW(メディカルソーシャルワーカー)と協力して訓練場面をリモートで見ていただくこともあります。
入院中に良くなった機能を維持していくには、リハビリを続けていくことが大切になります。退院時に継続して行ってほしい内容や、生活の中で注意していただきたい事等を説明させていただくようにしています。患者さん自身が受け身では効果が思うように上がらないこともありますが、1人で頑張るのではなく、ご家族や退院後に支えていただける地域の方と一緒にサポートしていきます。