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下肢静脈瘤について

 

岡山市立市民病院では、末梢血管外来を開設しており、下肢静脈瘤の診断・治療を行っております。
このページでは下肢静脈瘤を発症している方に見られる症状や、その治療方法についてご紹介しています。
気になる症状が見られる方は是非当院の末梢血管外来までご相談ください。

下肢静脈瘤は自然に改善することは難しく、時間の経過とともに徐々に悪化していきます。重症化すると湿疹や皮膚硬化症などの「うっ滞性皮膚炎」を合併します。
さらに悪化すると「潰瘍」になってしまいます。

 

下肢静脈瘤の悪化

下肢静脈瘤の悪化.jpg

下肢静脈瘤とは?

正常な静脈は、血液を心臓に戻す役割をしており、足の方に血液が戻ってしまうのを防ぐために弁が備わっています。この弁が壊れることで足に血液が逆流してしまい、足のだるさやこむら返り、血管がふくれてこぶのようになる病気が下肢静脈瘤です。
 

 

正常な静脈弁.jpg

正常な静脈弁

 

静脈弁がこわれ血液が逆流し血管が拡張.jpg

静脈弁がこわれ血液が逆流し
血管が拡張

イラスト正常と異常.png

どんな人が下肢静脈瘤になりやすいの?

高齢の患者さんの方が多いとされています。男性に比べて女性が2~4倍程多いと報告されています。
立ち仕事の多い職業の方に多く発症することが報告されています。妊娠・出産を経験された女性に多く発症することが報告されています。
 

下肢静脈瘤の診断方法

下肢静脈超音波検査の様子.png

下肢静脈超音波検査の様子

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8㎜大に拡張した静脈瘤.png

8㎜大に拡張した静脈瘤

 

静脈が逆流している波形を認める.png

静脈が逆流している波形を認める


下肢静脈瘤の診断では、超音波検査が中心になります。下肢静脈超音波にて静脈瘤ができる表在静脈の拡張(5mm以上)と逆流(0.5秒以上続く)を認めると、侵襲的な(血管内治療など)治療が必要な静脈瘤である可能性が高いです。その他の下肢の症状の原因となる、深部静脈血栓症(通称:エコノミークラス症候群)やリンパ浮腫などがないか調べます。

補助的な診断方法としては、下肢のMRI検査などで静脈瘤の走行を調べたりします。

 

下肢静脈瘤の治療法

 

薬物治療

現時点では、下肢静脈瘤自体を治すような内服薬(飲み薬)や点滴の治療法はありません。下肢の症状(むくみ、こむらがえり、痛み、かゆみ)を改善させる内服薬や塗布剤(塗り薬)はありますが、静脈瘤自体を治すわけではなく、症状の改善が目的です。
 

保存的療法(弾性ストッキング)

弾性ストッキング(足を圧迫するための医療用ストッキング)を用いることで症状の改善をおこないます。足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用によって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。
 

硬化療法(静脈に薬を注射して固める)

硬化療法は、下肢の静脈瘤に薬を注射して固めてしまう治療です。軽症の下肢静脈瘤に行います。進行した静脈瘤には治療効果が期待できない場合もあります。薬剤による色素沈着やアレルギーが起こることがあります。

硬化療法.jpg
 

血管内焼灼術(静脈を内側から焼いてふさぐ)

血管内焼灼術は、 静脈を内側から焼いてふさぐ治療です。
細い管(カテーテル)を病気になった静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼きます。焼いた静脈は、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなります。当院では高周波電流を使う高周波(ラジオ波)治療を主に行っています。
 

 

Closure_CGカテーテル挿入1.jpg


 

 

 

 

カテーテルを静脈内に挿入。

 

血管内(静脈瘤内)を超音波(エコー)で確認.jpg

血管内(静脈瘤内)を超音波(エコー)で確認しながら、焼きます。

 

高周波焼灼治療器.jpg
高周波焼灼治療器

血管内塞栓術(静脈を接着材でふさぐ)

医療用の接着剤を静脈瘤内に入れ、病気になった下肢静脈を閉塞させる治療です。これにより、重要な合併症である熱による神経損傷の危険性がなくTLA麻酔も使用しないので、よりシンプルで低侵襲な治療が可能になりました。ただアレルギー体質の方や、大きな静脈瘤の場合には行えません。
 

 ストリッピング手術(静脈瘤を抜く)

静脈瘤のある血管にワイヤーを通して、血管を引き抜く治療になります。静脈瘤の大きさが非常に大きいときに行うことがあります。その他、膝から先の静脈瘤に対して、数㎜の切開で直接静脈瘤をぴっぱり出して切除するスタブアバルジョン法があります。

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スタブアバルジョン法

当院では高周波を用いたカテーテルによる血管内治療を第一選択としていますが、患者様の病態に合わせた最適な治療法をご相談させていただきながら決定いたします。

 

はじめての受診から退院後外来までの経過(例:高周波波治療)

初診時
  • 問診票に症状などの記載をしていただきます。(問診票:くわしくはこちら)
  • 問診を行い、検査に行きます。下肢静脈超音波検査、血液検査、下肢血流検査

下肢静脈超音波検査の様子.png

下肢静脈超音波検査の様子
 

  • 後日、侵襲的な治療の必要性が必要と判断した場合には治療の効果、合併症、起こりえることについてご説明し、お話し合いをします。
  • 相談の上、血管内高周波焼灼術をすることが決定します。当院では1泊2日入院での安全な治療を推奨しております。必要な物品や入院中の経過についてパスを用いて説明します。(患者様用パス:詳しくはこちら)

 

入院(手術当日)
  • 9時前に病院に来院いただきます
  • 9時頃から下肢静脈超音波検査を行い、手術する静脈にマーキングします
  • 着替えを行い、10時頃に手術室(3F)に入室します。

手術室.png
 

  • 手術室で点滴を開始します(手技の内容により眠くなるような静脈麻酔を使用します)
  • 足を消毒します
  • 局所麻酔を行い、血管に管(カテーテル)を挿入し、焼灼する血管の周りにも麻酔薬を注入し、焼灼を行います。(手術時間10-20分程)
     
Closure_CGカテーテル挿入1.jpg 手術イメージ01.jpg

 

  • 手術が終了したら、足に包帯を巻いて、手術室を退室します。
  • 病棟のベットで1時間ほど休んでいただき、その後は歩くことや食事ができます。
  • 合併症が起きていないか、確認させていただきます。

 

退院(手術翌日)

・手術翌日の朝に、手術した部位が問題ないか確認した後、ストッキングを履いて退院になります。 退院後の注意事項について 詳しくはこちら
 

退院後外来受診(1週間後)

・術後1週間後を目途に外来受診していただき、手術した部位に問題がないか確認します。