暑さ厳しき折、ご自愛のほどお祈りいたします。
リウマチ治療中の方は特にコロナウイルス感染症に対する不安は少なからずあるのではないでしょうか。
皆様の不安が少しでも解消できるように、今回は感染予防について重点を置き、新型コロナウイルス感染症と夏という季節も踏まえた内容にしています。以前にリウマチ教室を受講されたことがある方は、ご存知の内容もあるかもしれませんが、復習と感染症対策の再認識も兼ねた内容ですので、参考にして頂けたら幸いです。
リウマチに対する治療薬として抗リウマチ薬、生物学的製剤、ステロイド薬、免疫抑制薬で治療されている方が多いと思います。
リウマチ治療されている方は一般にお薬の影響で感染症にかかりやすい状態にあります。しかし、現時点では持病にリウマチを持たれている方が新型コロナウイルス感染症にかかりやすいという結果は出ていません。ここで大事なのは新型コロナウイルス感染症に対する不安はあると思いますが、リウマチに対するお薬を自己判断で中断しないことです。
もし、お薬で不安なことがあれば、まずかかりつけの主治医に相談してください。現在行われているリウマチの治療は自己中断ができません。感染する危険性を下げることが大事であり、皆さんに行ってほしいことは感染症対策を徹底することです。
外出後や食事前は石鹸やハンドソープを使用して手洗いとうがいをすることが大事です。手洗いには最低でも15秒以上かけることが推奨されており、しっかりと洗い流すことが大切です。手指のアルコール消毒は手洗い後が理想的です。頻回の手洗いと手指消毒で皮膚トラブルになりかねませんので、ハンドクリームなどによる手洗い後の保湿もお勧めします。
1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
夏場はエアコンの使用により、密閉空間になりやすいです。新型コロナウイルスは、換気の悪い屋内の密閉空間では数時間程度滞留しているのではないかという見方があります。30分に1回以上数分間程度、室内の換気をしましょう。空気の流れを作ることも大事であり、複数の窓がある場合は2方向の壁の窓を開放しましょう。窓が1つしかない場合は、窓と部屋のドアを開けることお勧めします。
2.密集場所(多くの人が密集している)
人が密集している場所では、新型コロナウイルスだけでなく、他のウイルスや細菌感染にかかる可能性が高くなります。ゆえに不要不急の外出は避けるようにしてください。どうしても外出される際は、必ずマスクの着用をお願いします。
3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)
新型コロナウイルス感染症の感染経路は、一般的に手を介してウイルスが口や鼻に運ばれる「接触感染」、喋ったり、咳やくしゃみした時にでる飛沫を口や鼻から吸い込んで感染する「飛沫感染」と言われています。咳が出そうになった場合はマスク装着や腕で口を覆うような「咳エチケット」を行ってください。咳エチケットは手で覆うと、覆った手を介してドアノブなどに細菌やウイルスが付着するため手で口元を覆う咳エチケットはお勧めしません。
また、飛沫が顔にかからないように距離をできるだけ2m(最低1m)空けることが大事です。
マスクの表面に付着したウイルスが手を介して口や鼻から感染することもありますので、布マスクは1日1回の洗浄が推奨されています。マスク装着に伴い、口腔内が保湿されるため口渇感を感じにくく、水分摂取が少なくなりがちですので、こまめに水分摂取をするようにしてください。
特に抗リウマチ薬(メトトレキサートもしくはリウマトレックス)内服中の方は脱水になると腎障害の副作用が出現する危険性もあるので、脱水に注意が必要です。
コロナウイルス感染症の疑いのある方は、施設ごとに受診方法の取り決めがあるため、病院受診する前にお住まいの各市町村保健所の新型コロナウイルス受診センターに電話で相談した上で、各医療機関に確認してから診察を受けるようにしてください。
以上の情報は下記のWebサイトならびに文献から引用しております。
情報の正確さには万全を期したつもりですが、COVID-19に関する知見は日々蓄積され見直されておりますので、疑問点がございましたら都度主治医にご確認ください。
岡山市立市民病院 リウマチセンター
看護師 岩藤 翔
《参考文献ならびにWebサイト》
日本リウマチ学会 新型コロナウイルス(COVID-19)への対応について
https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19/