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心臓リハビリテーションってこんな感じ!?

スペシャリストに聞いてみよう!(診療のチカラ)(更新日:2017/12/21)

顔写真:リハビリテーションセンター副主任理学療法士 勝部 晋介

リハビリテーションセンター:副主任理学療法士 勝部 晋介

「心臓リハビリテーション」とは、どういうものなのでしょうか?

「心臓リハビリテーション」と言うのは、一般的な・・・例えば骨折の手術後に歩く練習をされるような内容とは少し違って、運動を行うだけではなく、医療スタッフでつくられたサポートチームによる患者さんへの関わりの総称だと思ってください。サポートチームには、医師や看護師、薬剤師や栄養士、私のような理学療法士、また健康運動指導士や臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなど、それぞれの得意分野が必要とされるので、多くのスタッフが参加します。

どんな方が対象で、どんなことが行われるのでしょうか?

何かの原因で心臓を悪くされた方、例えば心臓を取り巻く血管が詰まったり、血圧が変化したり脈が乱れたりすることで心臓の機能が悪くなってしまった患者さんが、心臓リハビリテーションの対象です。 内容としては、入院後の患者さんが寝たきりになられないように配慮しながら、状態に合わせて適切な運動を行うことで病気によって失われた体力を回復させます。必要に応じて、退院先の環境設定をしたり、地域でのサポート体制を検討したりもします。また、これが凄く大事なのですが、病気が再び悪くならないように生活や自己管理の説明も行っています。

心臓を悪くされた方が運動しても大丈夫なのでしょうか?

基本的に、運動は医師の診察と判断のもとに行うもので、教育を受けたスタッフが対応しています。実際に命に関わるようなトラブルはほとんど起こりませんので、安心していただいて大丈夫と思います。心臓はよくなっても、次は足腰がヘロヘロで動けない・・・ということにならないように、出来るだけ体力の低下を防ぐお手伝いさせていただきます。

心臓の病気って治ってもまた悪くなることがあるのでしょうか?

悪くなる可能性はあります。心臓の病気は、その原因を放っておくと結構な確率で再発を繰り返します。それに、一度目の症状が軽くても二度目は命に関わることもありますから、「のど元を過ぎれば・・・」とならないように注意が必要ですね。

どうすれば再発を防げるのでしょうか?

一番のポイントは「生活習慣を見直すこと」です。食事は毎日のことで身体への影響は大きいですから、濃い味付けや油の取り過ぎ、野菜不足の傾向がある場合は改善する必要があります。また、簡単なことではないかもしれませんが、適度な運動を定期的に行うことも良いでしょう。
あと、処方された薬を「効果がない」とか「調子がいいから」と勝手に止めてしまわれる方も時々おられますが、これは本当に良くないですね。薬の効果があって体調が変わらずに済んでいる、ということも知っていただけたらと思います。

 運動としてはどんなものが良いのでしょうか?

ダンベルやゴムバンドを使うような運動も良いのですが、一般的には有酸素運動といわれる、散歩や自転車こぎのような、一定の時間に同じリズムで動き続ける運動が適しています。ポイントは、軽くストレッチをした後に行うことと、「ちょっと息が切れるかなぁ・・・」ぐらいまでの速さで動くことです。
運動中に会話が続かない程の息切れが起こらず、運動が続かなくなるような疲労が出ないのが簡単な目安です。まったく運動習慣がないところへ、いきなりヒイヒイハアハア言う程の強い運動を行うのは逆に良くないですね。
また、運動の際には、水やお茶で構いませんので、適度に水分補給を行うことも大事です。

病気になっていない方が気を付けたほうが良いことはありますか?

素材の味を活かしたバランスの良い食事と適度な運動、たくさん笑ってぐっすり寝ていただければ、病気になっていない方も、きっと健康で幸せに過ごせるのではないでしょうか。

 

ポイント

病気になっている方もそうでない方も、生活習慣に気をつけながら、バランスのよい食事をとること、適度な運動を継続的に行うことで心臓の病気になるリスクを減らすことができます。