痛くない、こわくない手術を目指して。
外科手術において治療をうける患者様にとって、最大の侵襲とは『傷の痛み』であると考えます。
『痛み』『痛み自体への恐怖心』『美容面』『痛みに伴う術後リハビリの遅れ(回復の遅れ)』を少しでも軽減できるよう、私たちは内視鏡下手術を積極的に行っています。安全面にも十分配慮しており、当院では日本内視鏡外科学会が定めた内視鏡外科技術認定医も複数在籍しております。
また、定期に予定された手術のみならず、緊急手術が必要な状況においても鏡視下手術を積極的に行っているところも当センターの特色です。
開腹手術
腹腔鏡手術
開腹手術
腹腔鏡手術
従来手術
小切開手術
内視鏡下手術
・小切開手術 :傷の大きさは従来手術の1/3~1/2程度。
・内視鏡下手術:鎖骨下の傷なので小切開手術よりさらに痕が目立ちにくい。
池田
手術が必要と判断した場合は、可能な限り、身体への傷が小さい手術を提案させていただきます。例えば当院の消化器関連の手術の8割程度を占める「鏡視下手術」は、身体を大きく切開する手術と違い、数カ所の小さな穴から体内にカメラや手術のための細い機器を入れて手術をします。当院で可能な鏡視下手術(腹腔鏡手術、胸腔鏡手術)や小切開手術、IVR 治療は、傷も小さく、早くから食事や歩行が可能になり、早い回復が見込めます。
なお、ご年齢や身体の状態、本人やご家族のご希望で手術以外の治療方法(薬剤投与や放射線治療など)も、必要に応じてご提案させていただきます。
渡邊
手術を受けられる方が一番心配なのは、手術後の痛みではないかと思われます。
当院では、手術後の痛みに対して様々な鎮痛法を行っています。最近では、超音波装置を用いた末梢神経ブロック注射の適応が広がっており、血が止まりにくくなる薬を内服していて、以前は点滴以外の鎮痛法がなかった方でも鎮痛法の選択肢が増えています。
また、点滴による鎮痛法では、患者さんが痛みを感じた時にすぐご自分で痛み止めの追加ができる機能を備えた装置を使用しています。この装置は患者さんに応じた投与方法が設定でき、若い方から高齢の方まで安全に使用することが出来ます。
手術前には麻酔科外来で麻酔方法や鎮痛方法について説明させて頂いています。不安な事やご質問があればお気軽にご相談下さい。
國富
手術というのは患者さんにとって非日常で、治療の中でも大きな出来事です。しかし、手術そのものと同じくらい、術前から心身の準備をしていくことがとても大切です。
手術室看護師は患者さんと直接顔を合わせる時間は短いのですが、手術に関する疑問やご要望・心配ごとをお伺いする術前外来にはじまり、手術中もずっとそばで患者さんへの声掛け等の心身のケアや手術のマネジメントを行い、術後も間接的に関わっています。
患者さんに身近な存在として感じて頂き、ご自分では言い出せない痛みや不安の代弁者として、一緒に手術治療を乗り越えていきたいと思っています。