「病気になり、誰も自分の本当の苦しみを理解してくれない」と感じておられる患者さんやご家族の皆様へ。
ぜひ一度、私たち緩和ケアチームにその思いをお聴かせください。
病気を患うと、それまでの当たり前の生活が一変します。
「体の痛みや不自由さで、自分の事が思うようにできず、皆に迷惑をかけてしまう」
「この先、どうなるのかという不安が尽きない。不安だ」
「誰も自分の苦しみを理解してくれない。孤独で押しつぶされそうだ」
そんな思いを抱えている患者さんやご家族の悩みを、私たちはじっくりとお聴きし、一緒に考えます。苦しみの霧の中で何も見えなくなった世界から、一歩踏み出すお手伝いを私たちにさせてください。
「何故私だけこんな病気にかかってしまったのだろう。何も悪いことをしていないのに」
病気はある日突然訪れます。その心の苦しみは計り知れないものです。
体の痛みだけでなく、心の痛みもまた想像以上に辛いものです。
私たち緩和ケアチームは、診断の早期段階からそのような苦しみに寄り添いサポートします。
緩和ケアは何もできなくなってから始めるものではありません。病気の診断時から、私たちは患者さんとご家族を支えるためのケアを提供しています。
緩和ケアチームは、主治医や医療スタッフと協働し、患者さんの身体や心のつらさを和らげたり、患者さんとご家族の悩みを解決するための窓口を担ったりします。様々なアプローチで解決につなげられるよう、複数の職種のメンバーで編成されています。
病気や手術・治療による痛みのコントロールだけではなく、経済的な問題、仕事上の問題、家庭内の問題や、ご自宅で療養される場合の環境づくり、他医療機関とのコーディネート等、支援の内容は多岐にわたります。
患者さんとご家族ができるだけ安心して療養生活を過ごせるよう、それぞれの専門性を活かして、力を合わせてサポートします。
病気の治療を行う主治医とは別に、病気に伴うさまざまな症状をコントロールします。
患者さんの問診と診察、これまでの経過や周囲の方からの情報等をもとに症状の原因を探り、対処方法を提示します。
緩和ケアチームのメンバーを中心に他の専門職スタッフの意見も活用し、必要に応じて薬の投与・変更や放射線治療の提案等も行います。
主治医に対して、どこか恐れを感じてしまうことはありませんか。
「こんなことを言ったら気を悪くされるのではないか。嫌われてしまうのではないか」と、主治医には案外本当の自分の気持ちを言えないものです。
私たち緩和ケアチームは、主治医とは別に、病気に伴う体の症状や心の苦しみに寄り添いながら診療します。
多職種で構成される緩和ケアチームの仲間が知恵を絞り、最適な治療法を検討し患者さんに提供することを心がけています。
心不全の緩和ケアを担当します。心不全は病気の症状そのものが苦痛の原因となるため、治療を継続することで症状の緩和を図り、必要に応じて苦痛を和らげる薬の投与を行います。エネルギー消費のバランスを適切に保つために、適度な休息や運動を促す生活指導を行うこともあります。
精神的症状がある患者さんのカウンセリングを行い、原因を探り、対処方法を提示します。必要に応じて薬の投与・変更や精神療法も行います。
薬の影響やせん妄、痛みによる身体的苦痛が原因となる場合もあるため、緩和ケアチームのメンバーを中心に他の専門職スタッフにも意見を求め、診療を行います。
緩和ケアチームのメンバーと協働し、患者さんやご家族と医療チームとの間を取り持ちます。病気によってもたらされる身体的・精神的な苦痛や社会的な不安などのさまざまな苦痛を和らげるためのケアを行います。
入院中の患者さんにとって最も身近な存在として、患者さんとご家族に寄り添い、その人らしく生活できるようサポートします。
外来化学療法室では、化学療法による治療とその副作用をできるだけ軽減する支持療法を、外来で通院される方を対象に行っています。専任の看護師が、患者さんに安心して治療を受けていただくための環境整備、外来治療中の管理・ケア全般を担当します。患者さんやご家族からのご相談もお伺いし、必要に応じて医師と共有し、改善を図ります。
痛みをはじめとした身体的症状、鬱や不安といった精神的症状を緩和するための薬について麻酔科医師とともに判断し、主治医に提案します。
症状の変化に合わせ、苦痛がコントロールされた状態が保てるように配慮します。
患者さんに直接お会いして薬の飲み方等をご説明し、その際に薬に関するご相談をお伺いすることもあります。
患者さんの症状や希望・要望に合わせて、姿勢・呼吸法・体の動かし方などのトレーニングや、福祉機器や補装具を使う場合の指導、安全な食事手段の提案やトレーニングなどを行うことで、できるだけ苦痛や負担を感じずに日常的な動作を行うことができるようにサポートします。
浮腫の改善を目的に、マッサージや生活指導を行うこともあります。
又、歯科衛生士は看護師とも協力して口腔環境を整えるお手伝いをしています。
患者さんの栄養状態・病状を把握し、食欲不振、吐き気等様々な症状に応じて個別に食事内容の調整をさせていただきます。
食べることを通じて病気の治療や生活の質の維持・向上をサポートします。
社会福祉の立場から患者さんやご家族の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を行います。
患者さん、ご家族のお話をお伺いしながら、社会資源を活用し、こころと暮らしを支える支援を行います。
関わるスタッフ
医師(麻酔科・循環器内科・心療内科)・看護師・薬剤師・理学療法士・管理栄養士・社会福祉士・事務
患者さんとご家族、関わる医療スタッフ、緩和ケアチームをつなぐ存在として「緩和ケアリンクナース」がすべての病棟で活動しています。緩和ケアに関わるスタッフの中で最も患者さんの身近な存在で、いち早く患者さんとご家族の状態に気付き、必要なケアにつなげられるように療養生活を支えます。
療養中は治療方針等の意思決定の場面が何度も訪れますが、誰しもすぐに決められるものではありません。無理に答えを引き出すのではなく、患者さんの歩みに寄り添い、共に考え、ご自身で納得できる選択をするためのお手伝いをさせていただきたいと思っています。
1人で抱え込まず緩和ケアリンクナースや周囲の医療スタッフにぜひご相談ください。
関わるスタッフ:看護師
疼痛とは「痛み」のことです。当院では、慢性痛、難治性疼痛、がん疼痛などの症状がある患者さんを対象に、外来診療を行っています。
関わるスタッフ:医師(麻酔科)
ご自身やご家族が「がん」と診断され、不安や悩みを抱えている方のために「がん相談支援センター」のスタッフがお話をお伺いしています。がんの治療や療養に関する情報提供も行っています。
ACPとはAdvance Care Planning(アドバンス・ケア・プランニング)の略語で、愛称は「人生会議」です。「もしもの時」のために、あなたの大切にしていることや希望、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自分自身で考えたり、あなたの信頼する人たちと話し合ったりすることを「アドバンス・ケア・プランニング -これからの治療やケアに関する話し合い」といいます。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方がこれからの医療やケア等について自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなると言われています。そのような状況になる前にあらかじめ意向を話し合っておくことが、意思決定を担うことになるご家族や周囲の方の助けになります。
あなたらしく生きるために、今日からはじめてみませんか?
私たち管理栄養士は、患者さんやご家族の栄養に関するお悩みを一緒に考えます。
たとえば入院中の患者さんが、食思不振や味覚障害、嚥下障害などで食事が思うように食べられないときには、症状をお伺いし食事内容を調整するサポートをさせていただきます。またご自宅での食事について、どのくらい栄養をとったらいい?どんなことに気をつけたらいい?などの疑問にお答えしますので、ご気軽にご相談ください。