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内視鏡センターの患者さんへ

診断・治療・救急を担う内視鏡医療

もしもの時も、いつもの検査も。

がんの早期発見から緊急時の止血まで、幅広い診療を行う内視鏡センター。
苦痛の少ない検査と高度な技術で、市民のみなさまの健康と命を日常から救急まで守ります。

がんの診断・治療における内視鏡の役割

内視鏡検査は、がんの早期発見および治療において重要な役割を果たしています。食道がん、胃がん、大腸がんなど消化管に発生するがんでは、内視鏡を用いて病変を直接観察し、組織を採取(生検)することが可能です。これにより、正確な診断が迅速に行えるようになりました。

また、膵臓がんや胆管がんなど消化管の外に発生するがんも、カメラの先端に超音波装置がついた内視鏡 (超音波内視鏡)を使用することで詳細な観察が可能であり、超音波で観察しながら針を刺して組織の採取を行うこともできます。内視鏡検査は、いずれのがんも症状のない小さな段階で早期発見できることが大きな強みです。

さらに、内視鏡によるがんの治療も広く行われています。早期胃がんや早期大腸がんに対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) など、外科的手術に比べて体の負担が少ない治療で完治させることが可能です。

画像:ESD

胆管ステント

大腸がんによって大腸の内腔が狭くなり便がつまる状態や、膵臓がんや胆管がんで胆管の内腔が狭くなり胆汁が流れなくなる状態は腹痛や黄疸につながります。

これらに対して、プラスチックや金属の筒(ステント)を入れることで症状を緩和する処置が可能ですし、腫瘍からの出血に対する止血処置なども内視鏡で行うことができます。

このように、内視鏡はがん診療の分野で「診断」から「治療」に至るまで、多岐にわたる役割を担っており、今後もその重要性はますます高まると考えられます。

イラスト:胆管ステント

苦痛のない内視鏡検査で定期健診を

胃や大腸などのがんやポリープなどの病変を早期発見するためには内視鏡検査が不可欠です。

しかし、内視鏡検査に対して「苦しい」「怖い」というイメージを持つ人も少なくありません。そのため近年では、鎮静剤を使用して検査中の不安や不快感を軽減する内視鏡が広く行われています。鎮静下での検査は、患者さんがほとんど眠っている状態で行われるため、苦痛が少なく、検査への抵抗感も和らぎます。安全性にも配慮されており、医師の管理のもとで行われるため安全性も常に配慮されています。

医療技術の進歩により消化器がんも早期発見することで完治を目指す時代になりました。苦痛の少ない内視鏡検査で定期的ながん検診を受けましょう。

イラスト:内視鏡検査

救急における内視鏡の役割

救急医療においても内視鏡は重要な役割を果たしています。特に消化管出血や異物誤飲(魚骨、薬の包装、ボタン電池など)、胆石症など、急いで処置の必要な病気に対してその威力を発揮します。

出血を伴う胃潰瘍や十二指腸潰瘍、大腸憩室からの出血などの消化管出血に対しては、内視鏡による止血術が第一選択として行われることが多く、出血している血管に対する熱凝固やクリップによる止血処置で出血のコントロールが可能です。また、異物の誤飲による痛みや食道閉塞に対しても、内視鏡的に速やかに除去することで、外科的処置を回避できる場合が多くあります。

当院は24時間体制でこれらの内視鏡処置を行っています。引き続き市民の皆さまが安心して医療をうけられるよう努力してまいります。

イラスト:救急車