関節リウマチによって、医療費・介護など日常生活を送るために様々な不安が生まれてくると思います。
今回は、知っておくと役に立つかもしれない制度やサービスを医療ソーシャルワーカー(MSW)からご紹介します。
1ヵ月(1日~末日まで)の医療費の自己負担額が一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた分の医療費を各保険組合が負担する制度です。
自己負担限度額は、年齢や所得などによって区分が設定されています。問い合わせ先は、加入している健康保険、健康保険組合の窓口です。
区分 | 自己負担の1ヵ月の限度額 | 多数該当の場合 ※4 |
---|---|---|
ア | 252,600円+1% ※1 | 140,100円 |
イ | 167,400円+1% ※2 | 93,000円 |
ウ | 80,100円+1% ※3 | 44,400円 |
エ | 57,600円 | 44,400円 |
オ | 35,400円 | 24,600円 |
所得区分 | 自己負担の1ヵ月の限度額 | 多数該当の場合 ※4 |
---|---|---|
上位所得者Ⅲ | 252,600円+1% ※1 | 140,100円 |
上位所得者Ⅱ | 167,400円+1% ※2 | 93,000円 |
上位所得者Ⅰ | 80,100円+1% ※3 | 44,400円 |
一般 | 57,600円 | 44,400円 |
低所得者Ⅱ | 24,600円 | - |
低所得者Ⅰ | 15,000円 | - |
所得区分 | 自己負担の1ヵ月の限度額 | 多数該当の場合 ※4 |
---|---|---|
上位所得者Ⅲ | 252,600円+1% ※1 | 140,100円 |
上位所得者Ⅱ | 167,400円+1% ※2 | 93,000円 |
上位所得者Ⅰ | 80,100円+1% ※3 | 44,400円 |
一般 | 18,000円(年間上限144,000円) | |
低所得者Ⅱ | 8,000円 | |
低所得者Ⅰ |
※1 医療費(10割分)が842,000円を超えた場合は、その超えた分の1%
※2 医療費(10割分)が558,000円を超えた場合は、その超えた分の1%
※3 医療費(10割分)が267,000円を超えた場合は、その超えた分の1%
※4 過去12ヵ月に3回以上高額療養費の支給を受けて4回目以降と確認できる場合
あらかじめ高額な医療費負担が予測される場合には、限度額適用認定証を申請し、認定証を医療機関に提示することにより、医療費の支払額を自己負担上限額までに抑えることができます。
40歳以上の国民が被保険者として加入し、要介護認定を受けた際に、介護サービスを受けることができる制度です。
介護サービスを利用するには、市区町村に申請し、 要介護認定を受ける必要があります。
原則として「第1号被保険者 ※5」が対象となっていますが、介護保険法で「特定疾病 ※6」の指定を受けている疾患については、40歳からでも「第2号被保険者 ※5」として介護保険サービスを利用することができます。
※5 第1号被保険者=65歳以上の方 第2号被保険者=40~ 64歳で医療保険(国民健康保険など)に加入している方
※6 加齢との関係があり、要支援・要介護状態の原因となる心身の障害を起こす疾病
例:骨折を伴う骨粗鬆症、関節リウマチ、後縦靭帯骨化症、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患など
治療費の一部、または全額が公費で助成される制度です。月額の自己負担額は、健康保険の世帯の所得に応じて定められています。
住所地を管轄する保健福祉担当窓口や保健所に申請をして、「特定医療受給者証」の交付を受ける必要があります。
階層区分 | 階層区分の基準 | 患者負担割合 2割まで | ||||
自己負担上限額(外来+入院+薬代+訪問看護) | ||||||
一般 | 高額かつ 長期 |
人工呼吸器等 装着者 |
||||
生活保護等 | - | 0円 | 0円 | 0円 | ||
低所得Ⅰ | 市町村民税額 |
非課税 (世帯) |
本人年収 ~80万円以下 |
2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
低所得Ⅱ | 本人年収 80万円超 |
5,000円 | 5,000円 | |||
一般所得Ⅰ | 課税以上所得割額 7.1万円未満 |
10,000円 | 5,000円 | |||
一般所得Ⅱ | 所得割額 7.1万円以上25.1万円未満 |
20,000円 | 10,000円 | |||
上位所得 | 所得割額 25.1万円以上 |
30,000円 | 20,000円 |
制度やサービスはお住まいの地域によって内容が異なることがあります。ご利用を考えている方やご不明点がある方は、各窓口または医療ソーシャルワーカーにお問い合わせください。制度やサービスを利用して、病気と上手につきあいながら生活していきましょう。
岡山市立市民病院 入退院管理支援(PFM)センター
医療ソーシャルワーカー 西山美帆