近年、救急医療は高度化・多様化が進み、より迅速で的確な対応が求められています。
こうした背景を踏まえ、当院では救急体制のさらなる強化を目的として、救急救命士による院内活動を開始しました。
現在、当院には2名(2026年4月時点)の救急救命士が在籍しており、新たな役割の確立に向けて、日々業務の構築と質の向上に取り組んでいます。
「救急救命士」と聞くと、多くの方が救急車で現場へ出動する姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
実際、日本では多くの救急救命士が消防機関に所属し、119番通報を受けて出動し、現場での応急処置と医療機関への搬送を担っています。
一方で近年、その活躍の場は病院内へと広がっています。
院内で働く救急救命士は、救急外来において医師や看護師、その他のスタッフと連携し、搬送患者の初期対応を担います。
さらに、転院搬送への同乗、患者移送、重症度・緊急度を判断するトリアージなど、専門性を活かした業務にも従事しています。
単なる補助業務にとどまらず、医療チームの一員として重要な役割を果たしています。
救急隊からの受け入れ要請に対し、患者の状態や院内の受け入れ体制を踏まえて調整を行います。
救急隊と病院をつなぐ架け橋として、円滑な受け入れに努めています。
来院後の患者に対し、バイタルサインの測定や12誘導心電図の記録、各種処置の介助を行います。
迅速かつ的確な初期対応により、その後の診療を円滑に進めます。
ERや病棟において、転院が必要となった患者の搬送を担当します。
安全かつ適切な搬送を行い、次の医療機関へ確実に引き継ぎます。
ERからの転院搬送では救急救命士が同乗し、転院先まで患者の状態を観察・管理、申し送りを行います。
また、他院からの紹介患者については、医師が同乗して迎えに行く体制をとっています。
搬送中も必要な医療対応が可能な体制を確保し、重症患者の安全な受け入れにつなげています。
院内職員に対し、月1回程度、BLS(一次救命処置)の指導を実施しています。
院内での急変に備え、職員全体の対応力向上に取り組んでいます。
当院では、救急救命士を目指す学生の実習受け入れを行っています。
病態理解や初期対応などの臨床的知識に加え、処置の流れやチーム医療における役割・連携についても学べる環境を整えています。
学生一人ひとりが実践的な知識と判断力を身につけられるよう、丁寧な指導を行っています。