前回は先生の専門分野についてお伺いしました。最終回はこれからの血液疾患、がん治療についてです。
通院で治療を受けられる方には、どのように対応されているのでしょうか。
通院で化学療法の治療を受けられる方には、外来化学療法室をご用意しています。
私たちの思う「外来化学療法室はこうあるべき」という姿を実現した部屋で、院内の一番いい場所にあります。明るく静かで、時間がかかる治療でも安心してゆったりと過ごしていただけるようにと計画しました。
人口減少に向かう世の中で、働きながら治療を続ける方はさらに増えるでしょう。副作用の少ない分子標的薬の登場もその状況を後押ししています。そういう世の中に対応するために、外来化学療法室のさらなる充実は課題のひとつですね。

明るい光が差し込む外来化学療法室
ライフスタイルに合わせた治療が重要になってくるんですね。
そうですね。身体的な健康だけではなく、経済的なこと、社会的なこと、ご家族のことなど、多様な背景に寄り添い、一人ひとりの事情を踏まえて総合的にバックアップしていくことを大切にしています。
血液・腫瘍センターには様々な職種のスタッフがいますので、それぞれの専門性を活かして患者さんをサポートします。あらゆる面で出来るだけ患者さんに負担が少なくて済むように考慮し、安心して治療を続けていっていただけるように努めています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
血液の分野は研究が盛んで、検査や薬剤に関しても開発スピードが速いんです。そこに対応していくためにも、医師だけでなく多職種のブラッシュアップを同時進行させていくことはひとつのテーマです。
今回の新型コロナウイルスの流行やもそうですが、その時になってみないとわからないことも当然あって、世の中の変化に合わせながらも安全な形で対応するためには、多様な角度から病院全体の底力を鍛えていかなければなりません。
これからも患者さんに最適な医療を提供し続けられるよう、スタッフ一同努めて参ります。

血液内科医師一同(2022年3月時点在籍メンバー)
お話をお伺いしたのは・・・
岡山市立市民病院 血液内科 医師 今城 健二(いまじょう けんじ)
※役職は掲載時のものです。変更になっている場合がありますがご了承ください。