市民病院で20年以上にわたり行ってきたリウマチ教室。新型コロナウイルスの影響により、2020年7月よりWeb版・瓦版(院内での資料配布および掲示)と形態を変え、皆様のリウマチ療養にお役立ていただくべく、引き続き情報を発信しております。
※更新日が古いものは最新の知見と異なる場合がありますのでご注意ください。
第281回リウマチ教室 知っておきたい介護保険 福祉用具と住宅改修の利用
解説:岡山市立市民病院 入退院管理支援(PFM)センター 医療ソーシャルワーカー 早瀬 友浩
はじめに
関節リウマチや加齢などにより日常生活のなかで介護が必要になったときには、一部の負担金で生活を手助けしてくれる介護保険制度のサービスを利用することができます。今回は「福祉用具と住宅改修の利用」についてご紹介します。
福祉用具貸与
福祉用具の貸与(レンタル)の対象は、下記の一覧になります。介護保険を利用できるかどうかは、要介護度に応じて異なります。
特定福祉用具販売
下記の福祉用具を、都道府県等の指定を受けた事業者から購入したとき、以下のとおり購入費が支給されます。
●利用者負担について
- いったん利用者が全額を負担します。あとで領収書などを添えて市に申請すると、同年度(4月1日〜翌年3月31日)で10万円を上限に負担割合に応じた金額が支給されます。
※都道府県等の指定を受けていない事業者から購入した場合は支給されませんので、ご注意ください。
住宅改修費支給
手すりの取り付けや段差解消などの住宅改修をしたとき、20万円を上限に利用者負担分を除いた金額が支給されます。
●介護保険でできる住宅改修の例
- 廊下や階段、浴室やトイレなどへの「手すりの取り付け」
- 「段差解消」のためのスロープ設置など
- 滑りの防止などのための「床または通路面の材料の変更」
- 引き戸などへの「扉の取り替え」
- 洋式便器などへの「便器の取り替え」
※上記の改修にともなって必要となる工事も支給の対象になります。
●利用者負担について
- いったん利用者が改修費全額を負担します。工事後申請により、20万円を上限に負担割合に応じた金額が支給されます。事前の申請がない場合、住宅改修費は支給されません。
- 引っ越した場合や要介護状態区分が大きく上がったときには、再度の給付を受けることができる場合があります。
おわりに
病気やケガをきっかけに、介護が必要になったときや自宅で安全に日常生活を送る手助けとして、介護保険制度を上手に利用していただければ幸いです。まずはかかりつけ医に相談し、お住まいの地域の相談窓口や医療ソーシャルワーカーにお問い合わせください。
出典および参考資料
- 岡山市あんしん介護保険岡山市介護保険課2022年4月