関節リウマチと生活
関節リウマチによる炎症の強い関節には腫れや熱感・痛みが生じます。主に安静が必要となりますが、生活動作は日々行わなければならない場合が多いと思います。
疼痛の増強や、変形・拘縮が進行しないために関節保護が有効といわれています。関節保護の原則としては、日常生活において関節の負担を軽減することで疼痛を和らげ、無駄な動作を省き、動作の工夫によってエネルギーを省力化することです。
そこで今回は、生活の中で出来る関節保護を目的とした動きのいくつかを紹介させていただきます。
生活動作で出来ること
まず、動作のイメージとしては二つあります。
1つ目は、「小さな関節を使う」→「大きな関節を使う・多くの関節を使う」というように、関節の負担を軽減・分散すること。
2つ目は、関節に負担がかかっている時間を減らすこと。
以下に具体的な動作について紹介します。
肩関節
上げた状態での重量物の把持が頻回にないようにします。
(例)戸棚などは最小限の動きで届くように配置します。遠くの物を取る時は、体を近づけたりします。かばんなどは、ハンドバッグ→ショルダーバッグ→リュックの順に負担が少ないです。
肘関節
捻る動きはなるべく避けます。
手首・指関節
なるべく両手を使い、重いものを持つこと、引っ張ることは避けます。また、指の代わりに手のひらを使います。尺側偏位が起こりやすいため、小指側への動きは避けます。握り込む動作はとくに小指側への動きを助長するので注意しましょう。
(例)両手鍋の使用、軽い食器を使う、布巾ではなくキッチンペーパーを使用してしぼる動作を減らすなどです。長時間のパソコンのマウス作業は尺側偏位を招きやすいです。また、スマートフォンを持つときも手首が小指側に曲がりがちです。卓上のホルダーに置いて操作するか、スマホリングなどを利用して操作しましょう。

股関節
歩幅の調節をします。しゃがみ込みは避けます。体重減量、杖の使用、ヒールの補高(脚長差の補正)、椅子の高さの調節などをしましょう。
膝関節
不整地の歩行はなるべく避けます。階段は登りは良い側から、降りは痛む側から行います。
足関節
足趾:履物、中敷き(インソール)などを工夫します。
頚部
①首をまっすぐに保ちます。
(例)読書などは目の高さに合わせます。うつぶせなど、首をひねる姿勢には注意して下さい。柔らか過ぎるマットレスは避け、高さのある枕は避けます。
②枕の形状を調整しましょう。
(例)頚椎(首)が過度に曲がった状態を避けるために枕を低めにするなど
炎症症状が軽いときには身体を使いすぎることが多いため過用には留意する必要があります。持続的な筋収縮は疲労の原因となるので、長時間同一の姿勢をとらないように心がけましょう。
生活動作で出来ること
関節を冷やすと痛みが強くなったり、関節が動かしづらくなったりすることがあります。夏も冷房の風が直接あたるのを避けて長袖や長ズボン、ブランケットなどで症状のある関節の保温を心がけましょう。逆に関節が腫れ熱感があるときは、関節の炎症が起きている可能性もありますので、その際は温めないようにしましょう。
また、椅子を使用する、ベッドを使用するなどして洋式の生活で関節の負担を減らしましょう。

運動も大切です
「安静」は大切ですが、「安静」は「全く動かさない」ということではありません。手足の筋力や関節可動域(関節の動かせる範囲)を維持するために運動を行うことは、とても重要なことです。炎症や疼痛のある関節は屈曲拘縮(曲がった状態で硬くなること)をきたしやすいので、関節可動域を維持するための運動も重要です。主治医に相談をしながら運動も上手に取り入れていきましょう。そして、よりよい生活が送れますように。
岡山市立市民病院 リハビリテーション技術科 作業療法士 田村 佑衣
参考文献
- 1)日本リウマチ財団,https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rheuma/dailycare/
- 2)日本リウマチ学会,メディカルスタッフのための ライフステージに応じた 関節リウマチ 患者支援ガイド 編集2025 改訂版, https://www.ryumachi-jp.com/medical-staff/life-stage-guide/
- 3)菊池尚久,関節機能を守るリハビリテーション治療―障碍者の活動を支えるー関節リウマチ, CLINICAL
- REHABIRITATION,vol.30 No.14,2021,p1471-1472
- 4)金子裕子,手指の痛み・変形・リウマチ,文響社,2024
- 5)浅井麻紀,図解作業療法技術ガイド根拠と臨床実験にもとづいた効果的な実践のすべて,文光堂,2022
お話をお伺いしたのは・・・
岡山市立市民病院 リハビリテーション技術科 作業療法士 田村 佑衣
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