2014年4月に地方独立行政法人化された際の発信内容です。
岡山市立総合医療センターは、「岡山ER」の構想の実現と更なる活用に邁進していきます。
24時間365日、症状にかかわらず救急患者を受け入れ、ER型救急医が初期診療を行い、必要に応じ専門診療部門に引き継ぐ、ER型救急システムを岡山大学と共同して構築します。
従来型の救急体制は、各専門科医が交替で宿直しているもので、過酷な勤務体制、専門外の診療などにより疲弊を招いております。これに対し、岡山ERは、症状の程度、診療科にかかわらず、救急患者の救急初期診療ができるER型救急医が交替制により診療を行い、入院・手術の必要な患者は各専門科又は他の医療機関に引き継ぐもので、患者にとっては、症状の程度、診療科がわからなくても、安心して受診していただくことができ、より適切な医療を提供できる体制と考えております。
岡山市の救急医療体制は、初期、二次、三次の救急医療機関と救急告示施設により整備されておりますが、高齢化の急速な進展や救急患者の急増などにより、救急現場の疲弊が危惧され、特に、二次、三次救急医療機関においては、軽症患者が大幅に増加し、本来の機能を十分発揮できない状況に陥ることが懸念されております。
このような状況から、岡山地域全体において、市民が安心できる最適な救急医療体制を実現していくことが課題となっており、この解決に貢献するため、「岡山ER」を構築するものです。
市内の救急医療は多くの救急医療機関によって支えられておりますが、救急患者が増加する中、各医療機関が各々の役割を果たしつつ、さらに連携を強め、地域医療ネットワーク全体で救急医療を支える必要があると考えております。
このような観点から、岡山ERは、救急医療機関(救急告示病院、病院群輪番制病院)のひとつとしてその役割を担い、さらに、岡山大学との強い連携体制と、他の医療機関との役割分担により、岡山地域における最適な救急医療体制の確立に貢献することを目指しております。
特に、多発外傷、広範囲熱傷、周産期救急、小児救急など、現在、医療体制の整備が進められている分野については、岡山大学をはじめ他の医療機関との役割分担を進めることを前提としております。
市民の健康と生命を守るため、行政機関や他の医療機関と密接に連携しながら、災害時や健康危機時の医療等の確保に取り組みます。
災害医療については、大規模災害時における傷病者の受け入れや医療チームの派遣等の医療救護が実施できる体制を構築します。
また、新型インフルエンザの発生など健康危機時に、適切に対応できる院内体制を構築するとともに、第二種感染症指定医療機関として、伝染性の強い感染症患者への医療を提供します。
災害拠点病院とは、災害医療機関を支援する機能を有する病院で、重症・重篤な傷病者を受け入れるなど、災害時の医療救護活動において中心的な役割を担う病院として位置づけられています。
平成23年12月策定の第2次岡山県地域医療再生計画では、平成27年5月の新市民病院開院後、新たに指定される予定になっております。整備内容は、備蓄倉庫、受水槽、ヘリポートなどの施設、移動用X線診断装置などの設備です。(平成27年6月2日 「災害拠点病院」の指定を受けました)
地域医療を担う医師等の安定的・継続的確保に貢献するため、岡山地域において医師等の教育機関である岡山大学と共同して教育・人材育成の強化を図ります。
このため、岡山ERを活用した魅力ある研修の場を提供するものとし、医師の臨床研修(初期・後期)や地域の医療関係者に対する研修事業を積極的に実施します。
また、看護師、臨床検査技師、救急救命士等の研修生・実習生の受け入れを積極的に行うとともに、医学生の卒前教育にも協力します。
といったものです。