妊娠糖尿病とは、妊娠して初めて発見、診断された、糖尿病には至らない糖代謝異常のことです。
妊娠後、胎盤などから分泌されるホルモンにより、血糖を抑えるインスリンの効きが悪くなるために血糖値が上がります。
妊娠判明後の血糖の検査などで、一定の基準を超えた場合に診断されます。
妊婦健康診査で一緒にしっかりチェックしていきましょう!
※ 早めの検査が必要です。該当する方は、ご相談ください。
※これから妊娠を考えておられる方で、不安をお持ちの方も、ご相談ください。
妊娠糖尿病になると、母体や赤ちゃんに影響することが懸念されます。
ママの血糖が高いと、胎盤を通じて赤ちゃんに糖が過剰に運ばれるため、赤ちゃんのリスクも高まってしまいます。
出産までの厳格な血糖コントロールが大事!
主に、食事療法、インスリン注射による血糖管理などが治療法として挙げられます。
当院では、産婦人科医師はもちろん、糖尿病内科医師、助産師、栄養士など専門スタッフが連携をとり、安心・安全な出産に向けてサポートしています。
不安・ご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
定期の妊婦健診では、毎回「体重」「血圧測定」「尿検査」を行います。
これらは、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の早期発見のために必要なものです。
適切な体重管理によって、妊娠糖尿病などのリスクは減少します。 体重管理は、妊娠前の体格に応じて指導するため、肥満度を表す「BMI」を知ることが大切です。
<BMIの算出方法>
BMI = 体重(Kg)÷身長(m)²★妊娠中に増えてもいい体重は、妊娠前の体型によってそれぞれ異なります。
下記の表を参考にしてください。
妊娠前のBMI | 体重増加の目安 |
---|---|
BMI<18.5(やせ) | 9~12Kg |
BMI 18.5~25(普通) | 7~12Kg |
BMI≧25(肥満) | 個別対応 |
食べ過ぎず、無理なダイエットはせず、バランスのとれた食事をすることが体重管理にもっとも必要なことです。
妊娠中だけでなく、妊娠前と出産後の血糖管理が大切です!
妊娠前に高血糖の治療をすれば、母体や 胎児のリスクは健康な妊婦と変わりません。
妊娠の予定があるなら自分の血糖を調べてもらい、高いと言われたら治療を受けた上で計画妊娠することをお勧めします。
出産後は、ホルモンの関係でいったんは 血糖が下がるものの、その後の糖尿病 リスクは高いといわれています。
妊娠糖尿病になった母親は5年で約20%、10年で約30%が糖尿病になるとの厚生労働省研究班の報告があり、定期的な受診、検査をお勧めしています。