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病院と地域の架け橋として ~地域医療連携とは~

スペシャリストに聞いてみよう!(診療科のチカラ) (更新日:2017/7/11)

写真: 医療ソーシャルワーカー 松下 康一郎

医療ソーシャルワーカー:松下 康一郎

ポイント

病気になっても、いろいろな専門科の助けを受けながら住み慣れた地域でその人らしく安心して生活ができる仕組み、それが「地域医療連携」です。

市民病院の地域医療連携室って、どんな部署なのでしょうか?

当院の地域医療連携室は、看護師さんや事務職そして私たち医療ソーシャルワーカーで構成されていて、役割が2つに分かれています。
「前方連携」担当は、主に開業医の先生方から当院へ患者さんを診察や検査のためご紹介いただくときの窓口となっています。先生方からのご紹介を24時間受け付けており、患者さんが当院でスムーズに受診していただけるように調整しています。
私が担当している「後方連携」は、入院されている患者さんがスムーズに退院できるように支援しています。退院時にはその病気や怪我の種類や程度によってはそのまま元の生活に戻ることが難しい場合がありますが、私たち医療ソーシャルワーカーがご相談に乗り、一緒に考えて、患者さんご本人やご家族ができるだけ満足できる生活に近づけるようお手伝いをしています。

その中で、医療ソーシャルワーカーはどんな仕事をしているのですか?

社会福祉の専門職として患者さんやご家族の相談に乗る事で、経済的・心理的・社会的な悩み等の問題解決のお手伝いをしています。日々、いろいろな相談に乗っていますが、基本はご本人やご家族の気持ちやご意向をしっかりと伺い、関係する多くの専門職と相談しながら、できるだけ患者さんが元の生活に戻れるようにお手伝いしています。
しかし、今の日本の医療制度はどんどん変わってきていて、特に入院しての治療期間がずいぶん短くなってきました。そのため、直接お家に帰ることがまだできなくて他の病院を経由して戻られるケースが増えてきましたので、そのお手伝いも重要な任務になってきています。

どうして病院を移らなければならないのですか?

今の医療制度では、病院の役割をそれぞれ治療の段階に応じて専門的にしているからです。当院はその中で急性期医療を担っており、病気や怪我をしたばかりの人に対しての検査や治療、例えば手術などをすることが専門になります。
それが少し落ち着いてリハビリやもうしばらくの療養が必要な時期になれば、回復期リハビリテーション病院や包括ケア病床といわれる種類の病院などに治療の場が移りますので、転院していただくことになります。
ただ、病院を移ると言っても、生活に戻るという目標は一貫していますし治療もそれに沿って進みますので、昔のように一つの病院で全て治療を終えて退院を迎えることと何ら変わりがありません。今の医療制度では、複数の病院が関わらなければ全ての治療を行っていくことが難しくなっています。

 患者さんにとっては、移った先の病院でちゃんと治療を続けていけるのか不安ですよね?

だからこそ私たち医療ソーシャルワーカーが間に入って患者さんやご家族の話をしっかり伺い、できるだけ多くの情報をお伝えし、一緒に考えながらこれからの治療と生活をご自身でイメージしていけるようにお手伝いしています。
市民病院からリハビリ病院等に転院したら関わりが終わりになるわけではなく、地域に戻られた後も患者さんが生活で困ることが少なくなるように、開業医の先生やケアマネージャーさん、地域の専門職ともしっかり情報交換等を行って、地域全体で患者さんの生活を支えていく仕組み作りにも関わっています。これからは、自宅が治療の場でもあり介護の場になってくると言われています。

すべて自宅で見ていくことはとても不安があると思うのですが?

昔のような大家族の家も少なくなり、共働きの家も多くなっています。今までは病院や施設に頼る傾向があったと思いますが、今はそれをカバーして支えていく仕組みが地域で整いつつあります。これからは、住み慣れた場所で少しでも長く暮らしたいと思っていらっしゃる皆さんが、自宅に居ながら療養や介護が受けられるようになってきます。
病気になったときでも、病院で医療ソーシャルワーカーがお話を伺いながら調整を行って、いろいろな専門職と支援体制を整えながら、生活の場へ軟着陸できるようにお手伝いすることで、医療ソーシャルワーカーは病院と地域の架け橋になっていくのだと思っています。 それが「地域医療連携」なんです。