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糖尿病の予防について

スペシャリストに聞いてみよう!(診療のチカラ)(更新日:2017/10/24)

人物写真:総合内科医長:寺見 隆宏

総合内科医長:寺見 隆宏

コメント

健診や人間ドックの受診者の中には、糖尿病や糖尿病予備群と診断される方が多くいらっしゃいます。健診で突然、「糖尿病」と診断されないためにも、生活の中で押さえておくポイントを理解しておき、普段の生活で実践して頂きたいと思います。

糖尿病予防のポイント

  1. 自分が糖尿病になり易いかを知る。(親に糖尿病があれば自分もなる可能性あり)
  2. 定期的に健診を受ける。(血糖異常は血液検査をしてみないと分からない)
  3. 食事の内容に気を付ける。(炭水化物の過剰摂取は糖尿病や肥満になり易い)
  4. 運動習慣をつくる。(運動することで筋肉での糖代謝が良くなります)
  5. メタボリックシンドロームにならない。(内臓脂肪が蓄積すると血糖上昇し易くなります)

糖尿病はどんな病気でしょうか?

体にとってブドウ糖は重要なエネルギー源ですが、その糖を細胞に取り込ませるために膵臓という臓器からインスリンというホルモンが分泌されています。このインスリンの分泌が低下したり、分泌していても細胞に対する働きが悪くなったりすることで、血液の中のブドウ糖が処理されずに増えている状態が糖尿病です。糖尿病には大きく分けて1型と2型という2種類があります。ここでは、糖尿病患者さんの90%以上を占める、2型糖尿病の予防についてお話していきたいと思います。

糖尿病を予防する目的は何でしょうか?

血糖が高いと動脈という血管が固くなる、いわゆる動脈硬化が進行します。太い動脈の合併症である心筋梗塞や脳梗塞は、糖尿病予備群の状態から進行し始めると言われています。このため、糖尿病を予防するということは心筋梗塞や脳梗塞を早期から予防することにつながると考えられます。

「糖尿病にどうしてなるのか?」を理解すれば、予防に役立ちますか?

2型糖尿病は、血糖が上昇しやすい個々の身体の特性(遺伝)と、環境因子(生活習慣・肥満・ストレスなど)や加齢が加わることで、血糖を下げる働きがあるインスリンの分泌低下やインスリンに対する抵抗性が引き起こされて発症します。このため糖尿病の予防は、これらの因子に対する対策になります。

「糖尿病になり易いか」を知っておくことも大切なのですか?

「糖尿病になり易い素因」があるかは、まずご両親に糖尿病があるか確認することです。ご両親のどちらかに糖尿病がある場合、糖尿病になりやすい体質を引き継いでいる可能性があります。ご両親のどちらかに糖尿病がある場合は、積極的に糖尿病を予防することが大切です。ご両親にも健診を受けて頂き糖尿の有無を確認しておくことは大切です。

「定期的な健診」を受けたほうが良いのはどうしてでしょうか?

糖尿病は血糖が上昇する病気ですが、かなりの高血糖になるまで基本的には症状はありません。糖尿病を初期の段階で見つけるためには、血液検査で血糖値を測ることが不可欠です。

 糖尿病を予防するための食事はどのようなことに気を付けたら良いでしょうか?

日本糖尿病学会は、栄養のバランスを全体のカロリーのうち炭水化物で60~50%で摂取することを推奨しています(たんぱく質20%、残りのカロリーを脂質で補う)。炭水化物は血糖を上昇させる因子としては大きいので、過剰摂取はしないように注意が必要です。炭水化物とは、米や小麦でできているパンや麺類などとイモ類が主なものです。そのほか糖質を多く含む果物やお菓子、清涼飲料水を取りすぎると血糖が上がりやすいので注意が必要です。

 糖尿病の予防のため、運動の時間を作りたくても仕事や家事が忙しいときは…?

厚生労働省の統計によると、健診で運動習慣が「ある」と答えられる人は30%前後です。仕事や家事で忙しい人にとって運動の時間を作ることは難しいのが現実です。このような人には、まず、生活の中で運動量を増やす工夫をしてもらいます。移動手段にはできるだけ歩行や自転車を利用し、建物の上下の移動には階段を利用することや、積極的に家事に取り組んでもらうことが大切です。運動の時間がとれる方は1週間に2~3日有酸素運動を20分以上するのが理想です。

メタボリックシンドロームは、「糖尿病の始まり」となるそうですね。

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪が蓄積し、血糖や、血圧、脂質の異常のうち2つを合併した状態をいいます。メジャーでお臍の周りを測って男性85㎝以上、女性90㎝以上を満たす場合は積極的に食事・運動療法に取り組むことで糖尿病の予防につながります。